小型猛禽類ツミ。オスは赤い目のモテ男

ツミ 画像

「公園でツミを見た」と話しても。「え?何を見たの?虫?」と聞かれてしまいそうな、聞き慣れない鳥、ツミ。ツミはワシやタカなどと同じように猛禽類で、昔は“幻のタカ”と呼ばれるくらい珍しい鳥でした。今は街の中でも繁殖し、都市の野鳥の一員となっているのがツミです。

今回はツミがどんな野鳥か、また僕とツミの出会いについてお話していきたいと思います。

 

ツミの特徴

ハイタカやオオタカと同じ属のタカ

ツミははハイタカやオオタカと同じ属のタカです。つまり猛禽類なのですが、ハトより小さいです。ミニチュアな猛禽類です。猛禽類なので、鉤型の爪に、グイッと曲がったくちばしをもち、肉食の、あの猛禽類です。

 

流鳥もしくは夏鳥として全国に分布

ツミは平地から山地の林にすんでいます。近年は住宅地でも繁殖しています。冒頭でもお話したように、今は都市の公園でも見られるようになりました。

 

オスとメスで大きさも色も違う

オスよりもメスのほうが大きく、メスとオスで体の色合いも異なります。

オスは27センチ程度でヒヨドリ大。目は赤褐色で黄色いアイリングを持っています。頭部から体上面が青みのある灰色。喉から体の下の方は白です。胸からお腹あたりにオレンジ色の横じまがあるのが特徴です。ハイタカと似ていますが、ハイタカと違い眉斑はありません。

メスは体長が30センチ、ハト大の大きさです。目は黄色くアイリングはありません。頭部から体上面が褐色で、のどから体の下面は白く、褐色の横じまを持っています。

オスとメスで大きさも体の色合いも異なりますが、くちばしの色は同じで黒色です。

 

鳴き声「キョーキョキョキョキョ」

尻下がりに甲高く鳴きます。とまっているときだけでなく、飛んでいるときもよく鳴きます。求愛や繁殖時には少し甘い声で「キョンーキョンー」と鳴きます。

 

名前の由来

漢字で書くと、「雀鷹」、英語ではJapanese Sparrowhawk、同じ意味ですね。

このツミの「雀」という字には、2つ意味があります。スズメそのものだけでなく「小鳥」という意味と「小鳥をよく狩る」の意味です。

和名のツミは「豆美」と表しますが、豆は小さいを表し、美はすぐ上の語の特徴や状態などを明示する接尾語なので、やはり“小さい”という意味合いがネーミングのもとになっています。

かつてはハイタカやオオタカ同様に鷹狩にもよく使われていました。鷹狩での活用価値も名前には反映されていて、オス・メスそれぞれ名前が違います。ツミの場合はメスはツミ、オスはエッサイ(悦哉)悦んで従うの意、鷹狩用の鷹として飼育しやすく仕込みやすい」の意味があるともいわれています。余談ですが、日本では同じ兄弟でも年長か年下かによって意味が大きく異なるので「兄」「弟」などと別々の単語が存在しますが、英語ではどちらもBrotherでよね。(上か下か必要がある場合はOlder brother, Younger brotherてな感じで使い分けます。)

 

街なかで共存

ツミは小さいながらも猛禽なので、オナガは公園などにあるツミの巣のそばに営巣することがあります。カラスなどの外敵から卵やひなを守るためです。

また他のタカと同様に旋回しながら上昇します。パタパタと小刻みな羽ばたきをします。空高く舞い上がると見分けるのはちょっとむずかしいです。

 

ツミとの初めての出会いは狭山丘陵にて

僕がツミと初めて出会ったのは狭山丘陵の山道を下っているときでした。ツミとハイタカの違いはよくわかりませんが、虹彩が赤かったので、ツミのオスということがわかりました。(恥ずかしながら、現時点でオオタカ、ハイタカ、ツミの識別はかなり困難だと感じています。じっくり観察できないと100%断言できるレベルではありません。)

頭上高く飛んでいると、大きさが把握しづらいのでツミかハイタカかの区別は難しいです。オオタカとハイタカの見分け方、ツミとの見分け方、幼鳥でもわかるように早くなりたいです。

「ONE PIECE」に「鷹の目のミホーク」とういうキャラがいますがその眼力をよく表した素晴らしいネーミングかと思います。猛禽類は小さくても貫禄がありますね。眼力も半端ないので遭遇するとやっぱりどきっとしますね。出会うとテンションの上がる野鳥です!

 

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