都内の某公園を散歩していたら、大きなレンズをつけたカメラを構えた人たちを見つけました。レンズの先に何が見えるのだろうと思って見ていると、どうもオオタカの巣がある様子。カメラを構えた人たちも静かに暖かく見つめている印象でした。
身近な猛禽類といえばモズくらいと思っていたので、まさか23区内でオオタカに会えるとは!僕はむちゃくちゃびっくりしました。
オオタカの特徴
メスの方が大きい
オオタカはメスの方がオスより大きいです。オスは50cmでハシボソガラス大です。細身でシュッとした感じ、色合いは白黒がはっきりしています。一方メスは57cmで、ハシブトガラス大です。胸が張ってガッチリしています。少し茶色っぽい色味です。
ちなみに幼鳥は、生まれて一年ほどは薄い褐色で、3年くらい経つと成鳥の色合いになります。
餌は鳥、小型哺乳類
ハトなどの鳥類、ウサギやてんなどの小型哺乳類を餌にします。オオタカが市街地の緑地でも見られるようになったのは、ドバトが増えたことも原因と言われています。
鳴き声「キッキッ」
あまり鳴きませんが、繁殖期にはオスは「キッキッ」と鳴きます。
鷹狩りといえばオオタカ
鷹狩りで使われていたのは大きい方のメスです。メスは“あをたか”、オスは“せう”と呼ばれていました。オスメスで呼び名が違っていたんですね。
2020年大河ドラマ「麒麟がくる」に登場している尾美としのりさん演じる土岐頼芸(ときよりのり)もドラマの中で鷹狩りを好んだようで、鷹の絵ばかり描いていたそうです。実は鷹狩りの歴史は古く、仁徳天皇の頃335年に百済より伝わったと言われています。公家の遊びとして親しまれていた鷹狩りが最も盛んになったのは江戸時代です。武士にとってレジャーとしての楽しみだけでなく、領内の偵察や軍の戦闘訓練としての役割もありました。歴史好きにとって鷹狩りは身近なトピックです。
そんな武門の嗜み、鷹狩りですが、使われる雄々しいタカはじつはメスなんですね。宝塚のオスカルのようです。
名前の由来
オオタカは漢字で書くと以下の2種類があります。
大鷹
蒼鷹
前者は文字通り、大きなタカという意味ですね。後者は、鮮やかでない青色、青みを帯びた翼上面と背中の羽毛の色を表したもの、青色を帯びた灰色、アオサギの”アオ”の由来と同じです。
抜群に男前な猛禽類
トップのイラストを描いていたら次女がジーと見て「怒ってるね・・・」と呟きました。
猛禽類の独特の目つき、爪といい怖いけど、やっぱりかっこいい。
猛禽類の特徴についてまとめてみました。猛禽類というと、タカやワシを思い浮かべるのではないでしょうか。実は身近なところにも猛禽類はいて、トビ、モズがそうです。他にもフクロウも猛禽類ですね。
クチバシ
肉を食べるのに適したカギ形に下に曲がったクチバシを持っています。肉を引き裂きやすい形です。
両目が前を向いている
他の野鳥に比べて両目が前方を向いています。そのため両目で見える範囲が広く、立体的に捉えることができるので獲物までの距離や周囲の状況まで把握することができます。
足が太くてゴツい
足は太くて頑丈で、先には鋭いかぎ爪がついています。ガシッと獲物を捕まえることができます。
名前もかっこいい
猛禽類と言えば、サシバ、ツミ 、ハヤブサ、ミサゴ、ノスリ、チュウヒなどどれも名前が渋いです。ネーミングの感覚が現代人のイマジネーションから出てくる音でないように感じるのです。昔の人がつけた歴史を感じさせる名前のような。そう思って名前の由来を調べてみると、確かに万葉集や古事記などに由来するものばかりでした。ずいぶん昔から口伝えに呼ばれ続け、長い時間をかけて定着した名前なんだろうなとロマンを感じます。
高貴なイメージの鷹
「能あるタカは爪隠す」「一富士二鷹三茄子」「鵜の目鷹の目」など鷹に因んだ言い回しや諺がたくさんあります。共通するのは高貴で特別なイメージではないでしょうか。山の奥地に行かないと会えないイメージをもっていたオオタカを東京の市街地で見られたというのが、とても意外で、嬉しい出来事でした。
オオタカは僕にとって特別感のある野鳥です。超メジャー級に誰もが知っているのに、滅多に会えないレア感。稀少な存在でで雄々しく、しかも皆が憧れる・・・。将棋のコマでいうとまさに「飛車」のイメージです。「王」でもなく、「金」「銀」でもなく、まさに「飛車」なのです。ちなみに「角」はフクロウかな。わかりづらかったらすみません。