ハシブトガラスの鳴き声は「カーカー」

ハシブトガラス イラスト

よく見かけるカラスは2種類「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」

まちでよく見かけるカラスといえば、ゴミ収集日にゴミをあさっているイメージではないでしょうか。カラスと聞いてイメージする黒い鳥は、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種類です。「ハシ」とは「嘴(くちばし)」のことで、名前のごとく、くちばしの太さで名前が異なっています。

都会の街中でゴミをあさっているのはハシブトガラスの方で、ハシボソガラスは郊外の農耕地や河川敷にいます。

種類が2つと言われてカラスを見たとしても、黒いし、大きさは似たような感じだし、はっきりと違いがあるのかしら?と思われるかもしれません。今回は、東京の街でよく見かけるハシブトガラスについて、その特徴を詳しくご紹介していきます。

ハシブトガラスは澄んだ声で「カーカー」と鳴く

ハシブトガラスの鳴き声は「カーカーカー」です。澄んだ声でくちばしを45度くらい上方に突き出して鳴きます。カラス科の多くは濁った声で鳴きます。あまりきれいといった感じではありません。見た目は美しいオナガもカラス科なのですが、声はダミ声です。ハシブトガラスのよく通る澄んだ声はカラス科では珍しいです。ドリフの「♪からす、なぜ鳴くの?カラスの勝手でしょ。カーカー♪」はハシブトガラスですね。

野鳥の鳴き声を人の言葉に当てはめることを“聞きなし”と言いますが、ハシブトガラスの聞きなしは「可愛い~可愛い~」です。

一方、ハシボソガラスは濁った声で「ガーガー」と鳴きます。外国映画で、不吉なことを予感させる暗いシーンでカラスの鳴き声が聞こえますよね。あれはハシボソガラスかもしれません。

野鳥の中でも頭の良さは抜群!

カラスは他の鳥に比べて頭が大きいです。脳も大きく知能も発達しています。硬い木の実や貝などを割るためにアスファルトに落として車に轢かせたり、いたずらをした人間を何年も忘れずに覚えていて仕返しする、滑り台で遊ぶ、などなど。カラスは賢いやつなんですね。

ハシブトガラスの英語ではJungle Crowです。その名前からもわかるように元々は山や森に住んでいました。ハシブトガラスは山烏(やまがらす)とも呼ばれるのは、同じような理由からです。その高い適応能力ゆえ、順応して街の中でも住むようになったのです。

ハシボソガラスとの違い

よく似たハシボソガラスとの違いについてまとめました。参考にしてみてください。


ハシブトガラスハシボソガラス
くちばし上くちばしが湾曲していて太い湾曲はなく平べったい
出っ張っているなだらか
鳴き声「カーカー」「ガーガー」
歩き方両足で跳ねるように歩くことが多い(ホッピンク)足を交互に出して歩くことが多い(ウォーキング)
すんでいる場所森林や都会市街地から離れた郊外河川敷や農耕地など
大きさ約57センチ約50センチ(ハシブトガラスより少し小さめ)

この2種類のカラス以外に、同じように全身真っ黒のカラスにはミヤマガラスもいます。ハシボソガラス、ハシブトガラスは年間を通して日本にいる留鳥ですが、ミヤマガラスは主に九州に飛来する冬鳥です。サイズ的にはハシボソガラスよりも少し小さいです。

街で見かけるカラスも愛おしく

僕も以前は、カラスと言えばゴミをあさるイメージが強く、あまり好きではありませんでした。しかし、カラスにもハシブトガラスとハシボソガラスの2種類がいる、ということを知ってからは、よくカラスを観察するようになりました。

ハシブトかな?ハシボソかな?と、街のカラスを観察してみてください。カラスを見る目が変わるかもしれませんよ。

ハシブトガラス イラスト
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