一般にシラサギと呼ばれる白いサギは、メジャーなものでダイサギ、チュウサギ、コサギがいます。まさに大中小なのですが、実はチュウサギは他のシラサギに比べて独自の生態や好みをもっています。今回はチュウサギの特徴についてご紹介していきます。
チュウサギの特徴
クチバシが短い
他のサギに比べて体の割にクチバシが太く短い印象です。頭やクチバシも他の白いサギに比べてややずんぐりとした姿をしています。
水田や草原
魚や甲殻類も食べますが、水田や草原でカエルやバッタなどを捕らえて食べます。水辺より草地を好むのも他のサギとの違いです。干潟など海にはあまり出ず、淡水域で生活をします。
大きさ
コサギとダイサギ のちょうど中間の大きさです。と言ってもダイサギは80〜104cm、チュウサギは68cm、コサギは61cmなので、チュウサギはダイサギよりはだいぶ小さいですが、コサギよりはひとまわり大きいというサイズ感でしょうか。
夏鳥
チュウサギは本州、四国、九州で繁殖する夏鳥です。九州の一部では越冬するものもいます。南アジアやアフリカ、オーストラリアなどに分布、繁殖しています。
ダイサギとコサギは留鳥ですが、チュウサギは夏鳥なので冬には、九州の一部以外では見ることができません。これもチュウサギ独自の特徴といえます。
鳴き声「ゴアー」
しゃがれた声で「ゴアー」と鳴きます。
チュウサギとダイサギの見分け方
チュウサギとダイサギ をぱっと見で見分けるのは非常に難しいです。よくよく観察したいポイントは“口元”です。口角が眼の後ろまで伸びていればダイサギ、目の前までならチュウサギです。どっちかな?と思ったら口元をチェックしてみましょう。また夏羽では、チュウサギは目元は黄色ですが、ダイサギは目元がターコイズグリーン、かなりビビッドな緑色です。
詳しい違いについてはこちらの記事も参考にご覧ください。
「シラサギといえばダイサギ!チュウサギやコサギとの見分け方とは?」
チュウサギはなかなか見られない
チュウサギはなかなか見ることがありません。実際個体数も減ってきているそうです。僕はそれとわかる出会いは1度しかありません。というのは、見れたとしても見分けるのが非常に難しいからです。最近やっと違いがわかるようになりましたが、初心者の僕には断定は難しいです。
夏はまだ夏羽として見れますが、季節の変わり目や渡りの季節などは特に難しいです。
初めて先日チュウサギ(と思われるサギを)見ました。善福寺川沿いで9月上旬の出来事です。「チュウサギ」と認識できたのが初めてでした。白くて黄色いクチバシの先端が黒色でした。チュウサギの冬羽か若鳥か?今年生まれた若鳥が渡っていく前に見たのかな?など家に帰って図鑑を開いて確認し、間違いないと判断しました。
普段から見慣れた野鳥でも、それをよく観察しておくことで、たまに似た野鳥で異なる個体を見たときに、「おや、よく見るいつものと違う」と差異に気づくことができます。
9月といえども人間の世界ではまだ猛暑ですが、見たチュウサギは婚姻色ではなくもう冬羽でした。自然の中では着実に季節は移っているんだなと思いました。人間のカレンダーと自然の時間は違うんだなと、暑い中でしたが、秋をふと感じさせる出会いでした。