春の空に天高く舞うテノール、ヒバリ(雲雀)

ヒバリ イラスト

ヒバリと言えばある一定の年代以上の方は昭和の歌姫「美空ひばり」さんを思い出す方が多いのではないでしょうか。私も妻ももう少し下の世代ではあるのですが家族の影響でヒバリというとやはり美空ひばりさんを思い出します。

美声。

そうなんです。野鳥の「ヒバリ」もやはり美声が特徴的です。僕が初めてヒバリに出会ったのは、多摩川河川敷でした。
季節は春。ヒバリといえば、さわやかな春の日に河川敷、あるいは田植え前の農耕地に天高く舞い上がる「さえずり飛翔」。とても縁起の良い野鳥でもあります。
春。さえずり飛翔ですぐにそれとわかりました。

ヒバリの特徴

体長は17㎝。スズメよりも一回り大きいぐらいの小鳥ですが、羽が大きく広げて大空を舞うため、実際は少し大きめに見えます。
米などの植物の種子を食べますが昆虫なども食べます。地上に枯草で巣を作ります。

ルックス

雌雄同色ですが、オスがしばしば冠羽を逆立てるのに対して、メスはあまり逆立てません。
色は上面は黄土色っぽい褐色、お腹は白っぽい色をしています。黒い縦斑があり上面、翼にもこの縦斑は見られます。

さえずり、さえずり飛翔で結構目立つので、春は比較的見つけやすいのですが、これは春だけで、実は日本では通年みられる留鳥にもかかわらず他のシーズンでは見つけづらいです。ちょうど体の色が保護色になっており、そのルックスからの見つけにくさはタシギなどといい勝負です。

ヒバリの鳴き声

冒頭でもご紹介したとおり、ヒバリといえば春のさえずりが有名です。
ぴゅるぴゅる。ちゅるちゅる。ピリピリピリピリなどと聞こえます。私には昔のパチンコ台の音にも聞こえます。すみません。

会える季節

日本では留鳥です。しかし、春のさえずり飛翔の時期以外は見つけづらいです。以前、真冬の多摩川河川敷の草地で姿を見ましたが、私が近寄るまで全く気づかず、急に目の前で飛翔したためびっくりしたことがあります。

河川敷、農耕地など開けた草地。最近では東京などの首都圏では牧草地が減っているためヒバリの数も減っています。

名前の由来

漢字で書くと雲雀。「雲雀」が付く地名は日本中あちこちにありますが、兵庫県の阪急線に「雲雀丘花屋敷」なんて駅があり、私ははじめ読めませんでした。。ヒバリの由来は諸説あるようですが、万葉集などにも登場するように日本では古くから身近な野鳥のようです。

「日晴り」とも言われ“晴れ”のイメージもあるようです。俳句の春の季語にもなっています。

まとめ

雲雀というとなんだか日本的な印象が強いのですが、ヒバリ科の野鳥で日本で繁殖するのは実はこの1種のみ。

世界には実は97種のヒバリ科の野鳥があり、特にアフリカに多いです。また、この「ヒバリ」、英語名はEurasian Skylark(ユーラシアン スカイラーク)と言いますが繁殖域は広く西はヨーロッパ全域、北アフリカにも及ぶワールドワイドな野鳥なんですね。

敬愛する英国のロックバンド、King Crimson(キング・クリムゾン)の最も好きなアルバムに「Lark’s Tongues in Aspic」があります。邦題は「太陽と戦慄」。誰が翻訳したのかカッコイイタイトルですが、実は直訳すると「ヒバリの舌のゼリー寄せ」…。中華料理だそうですがいったいどんな料理なのでしょう?

いずれにしてもヒバリは万葉集に詠まれたり、歌謡曲になったり、ロックになったり、たった17㎝の小鳥なのに歌的インパクトがすごいですね。大発見です。

それでは私もここで一句、初挑戦!! 舞い上がれ、みんな!ヒバリのように!!

揚げ雲雀、うつむく人やなんのその

 

ヒバリ イラスト
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