天然迷彩柄タシギ、どこにいるかわかりづらい!その特徴とは

タシギ イラスト

初めてタシギに会ったのは東京港野鳥公園、ネイチャーセンターでレンジャーの方に教えてもらって茂みで見たときです。おそらく教えてもらわなければ存在に気付きませんでした。最近、葛西臨海公園鳥類園のウォッチングセンターで見たときも、たまたまのぞいた双眼鏡に何やら動く野鳥がいることに気づきました。シギっぽいけどなんのシギだろう…と思っていたらウォッチングセンターの掲示板に、見られる野鳥に写真入りの説明があり、タシギと判明したのでした。

泥池の枯れ草の中にいて、保護色で背景と同化していたので、見つけるのがとても難しいと思います。とにかく擬態がうまいし、裸眼で見るともはやどこにいるのか全くわからないし、双眼鏡でもフレームアウトするともう一度捉えるのは至難の技です。動きもスローなので、何気に見過ごしてしまいます。図鑑には田んぼの近くにもいるけど動かないことも多いとあったので、これまでもいたのかもしれないけれど、気づかずいたのかもしれないです。

タシギの特徴

そんなタシギの特徴を見ていきましょう。まずはクチバシから!

長い柔らかいクチバシ

ジシギ類(*)の中で最も長いクチバシを持っています。田んぼで効率よく採食するのに適していて、クチバシを器用に使って、泥の中のミミズや貝類などの食物を探します。

*ジシギ類とはヤマシギ、タシギ、ハリオシギ、チュウジシギ、オオジシギのこと。これにアオシギを足した5種類をタシギ属といいます。分類も何やら難しいですね。まだまだ勉強が必要です。

旅鳥

繁殖期にはユーラシア大陸北部、北アメリカ大陸北部に、冬を越す頃には日本を含む東南アジア、中近東、アフリカ、北アメリカ大陸南部から南アメリカ大陸に及びます。びっくりするほど飛行距離が長く、世界をまたにかけるとはまさにシギのことです。
日本には春と秋の渡りの季節に立ち寄る旅鳥です。季節を感じさせる野鳥ですね。

水田、休耕田、河川に飛来

淡水域の泥地を好み、乾燥した農耕地はあまり好きではありません。群れを作らず単独で行動し、枯れ草の中にいて見つけにくいです。稲の切り株の陰にじっとたたずみ、夕方から活動スタートさせます。

ルックス

26cmなのでムクドリより少し大きいくらいのサイズ感です。ただクチバシが長いので、全長が26cmなので、頭部から体にかけてはムクドリと同じくらいかやや小さい感じかもしれません。
全身黄褐色を帯びていて、雌雄同色です。黄白色の頭央線、眉斑、眼の下の線があります。

鳴き声「ジェッ」

しわがれた声でジェッと鳴いて飛び立ち、高く舞い上がって飛び去ります。飛び立ち方も稲妻のようにジグザグに飛翔して舞い上がります。タシギは英名はCommon Snipeといいますが、スナイパー(sniper)の語源ともなっています。タシギは不規則な飛び方をするためタシギ猟でタシギを仕留めるのはとても難しいことだったようです。そこからシギを仕留める人という意味で”sniper”という言葉が誕生したとか。

シギはたくさんの種類がいる!

ジシギ類は日本で5種見られますが、どれも似たようなルックスです。他のオオジシギなどとの違いを見分けるのはかなり難しいです。似たようなジシギ類からタシギを見分けるヒントは、長いクチバシと羽の様子です。クチバシは最初にご紹介しましたが、羽は黄白色の羽縁が連なり線状に見えます。遠くから見ると、褐色と白色のストライプのようです。その他淡水域で見られることもポイントですね。

いつの日か、シギを見分けられるようになりたい…

あれはタシギかな??と思っても一人で断定することは難しいです。玄人の方に確認しなければ不安です。
シギの仲間ではチュウシャクシギの次に今回タシギを取り上げ、イラストも描きましたがシギ系はみんな似ているので描き分けるのも難しかったです。

大阪に鴫野という地名があり、シギという野鳥がいるであろうことは昔から知っていました。(因みに、大阪は昔は湿地帯であったことからシギが多かったのかな?と勝手に想像します。)しかし、バードウォッチングを始め、改めてシギという野鳥を観察してみると、とても種類が多く、一筋縄ではいかないな…と感じています。見た目がとても似ているため、かなり上級者向けの野鳥と言えるかもしれません。

いつの日かシギ類を見分けられるようになれたらかなり嬉しいです。そのためにはもっとレベルアップせねば、と思います。

 

タシギ イラスト
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