亜麻色の髪の乙女、アマサギ。他のシラサギ類との違いも徹底解説

アマサギ イラスト

「亜麻色の髪の乙女」(ヴィレッジ・シンガーズ)という曲があります。後に島谷ひとみさんがカバーしたことでさらに有名になりました。とても印象的なフレーズで雰囲気の良い曲です。

そんなわけで、今日ご紹介するアマサギに「亜麻鷺」の字をあてる方もおられますが、白い鷺の仲間では印象的なオレンジ色の羽衣を持った綺麗な野鳥です。このなんだか意味ありげな雰囲気を持ったアマサギについて語っていきたいと思います。

名前の由来

アマサギは雄雌同色の野鳥ですが、この夏羽のオレンジ色がとても綺麗なのです。(冬羽は白色。いわゆるシラサギの色です。後述します。)この体色が「飴色(あめいろ)」に似ていることから「アメサギ」、のちに転じてアマサギになったのではないかと言われています。漢字表記は「黄色鷺」で、「亜麻鷺」ではありません。また、『野鳥の名前-名前の由来と語源』によると「猩猩鷺(しょうじょうさぎ)とありますが詳しくは本書で。実際のアマサギの色も亜麻色(黄色がかった薄茶色)というよりは、もっと明るいオレンジ色なのでやはりアメ色が正しいのかなと思います。

「飴色ーあめいろ」がしっくりきます。玉ねぎを飴色になるまで炒めるときのあの色です。炒めすぎるとクロサギになってしまいます。

どこで会える?何を食べる?

アマサギは他のサギ類と違い、田んぼや畑、草地などで見かけます。環境がお好みのようです。日本ではトラクターや田植え機などの後を追いかけて飛び出してきた昆虫などを捕らえる姿をよく見かけます。

主食は昆虫やカエルなどです。ダイサギコサギなどと比べて魚類はあまり食べないのかもしれません。また、アマサギの生息域は南半球に多い印象ですが、アフリカなどでは牛や水牛などの後を追いかけて飛び出してくる獲物を捕らえます。日本では農機具、アフリカでは牛なんですね!ちなみに英名は「Cattle Egret- 牛群の白鷺」。どこに住んでも性根は変わらないものですね。ネイチャー系の番組で水牛やバッファローと一緒にモブ出演している鳥がこのアマサギです。

サギ類の見分け方

白鷺の仲間はぱっと見て識別が難しいです。どうやって区別すればよいでしょうか?下記のざっくりした表をご参考いただければと思います。ポイントはサイズ、観測した場所、時期です。

個人的にはまずコサギを覚えておけば他との比較がやりやすいです。
アマサギは意外とコサギより小さいです!チュウサギとアマサギはどちらも夏鳥ですが、色が全然違います。冬に九州で出会った場合はサイズを気にしてください。あと、チュウサギのクチバシの先端は黒です。

こちらの記事もご参考に。
シラサギといえばダイサギ!チュウサギやコサギとの見分け方とは?

名前 サイズ 季節 足の色 クチバシ その他
アマサギ 50cm 夏鳥(九州で留鳥) 黒色 黄色
夏羽はオレンジ色
コサギ 60cm 留鳥 黄色 黒色
足の色をチェック
チュウサギ 70cm 夏鳥 黒色 夏は黒、冬は黄 夏は注意して!
ダイサギ 90cm 留鳥 黒色(やや肉色) 夏は黒、冬は黄 でかい!

会える季節

北関東以南で夏鳥、九州で留鳥です。北海道、東北は生息地に含まれていませんが、秋田県などでの観察記録があります。生息域が拡大しているのでしょうか。

したがって、本州で見れるアマサギは夏羽がメインということになります。アマサギの冬羽はコサギやチュウサギ、ダイサギと同じように真っ白ですが、本州で出会うことは少ないです。

まとめ

今回のイラストは婚姻色で書いてみました。婚姻色とは繁殖期前後に色が変わる現象でサギ類にしばしばみられる特徴です。目元の紫色がとてもきれいだなと思いました。野鳥のイラストを描いているとほとんど紫色は使わないのですが今回は他にも色々なカラーを使えたので描いていて楽しかったです。

アマサギのイラストは草地を背景にした方がより良かったかなと後から思いました。今回の反省点です。本ブログをやっていて、野鳥って奥が深いなとつくづく思います。イラスト、記事、100点になどとてもなりません。

かくこと自体がまさに学びの連続です。より良い内容を目指して今後とも頑張っていきたいと思います!応援よろしくお願いします!

 

アマサギ イラスト
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