シラサギといえばダイサギ
実はシラサギという名の野鳥はいません。白いサギのことを総称してシロサギ(シラサギ)と一般に呼ばれています。白いサギで身近に見られる野鳥は、コサギ、チュウサギ、ダイサギです。その中でも一番大きく、僕の中では”Theシラサギ”であるダイサギについてお話ししていきたいと思います。
ダイサギの特徴
ダイサギは日本国内で身近に見られる野鳥の中ではアオサギと並んで最大級です。その大きさ優美さ、抜群の貫禄です。大きな白い鳥と言えば、ハクチョウやペリカンが思い浮かびますが、いずれも日本の限定的な地域でしか見ることができません。そんな身近で美しいダイサギの特徴を見ていきましょう。
真っ白
全体の羽の色は真っ白です。今回のイラストでは、その白さ故に色を表現するのがとても難しかったのです。
白いサギの中で最大級
日本国内で身近に見れる野鳥の中ではアオサギと並んで最大級です。図鑑を見ると主要なサギのサイズは以下のように表記されています。
・アオサギ…93cm
・ダイサギ…90cm
・チュウサギ…69cm
・コサギ…61cm
参考:『日本の野鳥650』(平凡社)
ダイサギとアオサギが圧倒的に大きいですね。アオサギは全体的にグレーなので、白いサギ3種の中ではダイサギは断トツで大きいことがわかります。
脚が長く黒い
ダイサギは長い脚を持っているので、より深い水中をエサ場とすることができます。ダイサギを見かけるシチュエーションと言えば、水辺をゆっくり歩くか、じっと立って佇んでいる姿です。飛んでいる時は後ろに伸ばした脚が白サギの中でも一番長いのが特徴です。
首がヘビのように長い
ダイサギの首は、蛇のようにひょろっと長いです。しかも細いため他のシラサギに比べてより長く見えます。
婚姻色(繁殖羽)は目の周りがターコイズグリーン
夏羽では目の周りが緑色になります。ターコイズグリーンというか、かなりビビッドな緑色でカッコいいいです。ちなみにイラストは夏羽を描きました。また、背から飾り羽が出てフワッとした感じになります。
クチバシは夏は黒く、冬は黄色い
季節によってクチバシの色が変わります。夏は黒く、冬は黄色になります。
口元の切れ込みが目の後方まで伸びる
遠くから見るとなかなか判別が難しいのですが、双眼鏡でよく観察すると、口元の切れ込みが目の後方まで伸びています。
鳴き声は「ゴワー」
ゴワー!と大声でやかましく鳴きますが、それは繁殖期だけで、それ以外の時期は割と静かです。
留鳥、もしくは夏鳥として飛来
生息地は九州から本州で、多くは留鳥ですが、夏鳥として飛来するものもいます。
魚やカエルを食べる
川や湖沼、海岸、水田など水辺で見られる野鳥で、魚やカエルを食べます。
ダイサギとチュウサギ、コサギの見分け方
身近なシラサギ3種の違いを見分けるポイントをご紹介します。大きさの項目でご紹介してした通り、ダイサギは飛び抜けて大きいのと細長い首がポイントです。
ダイサギ | チュウサギ | コサギ | |
夏 | クチバシ黒・目の周りが緑 | クチバシ黒 | クチバシ黒・冠羽がある |
冬 | クチバシ黄色 | クチバシ黄色・先端は黒 | クチバシ黒い |
コサギは見分けがつきやすいです。(詳しくはコサギの記事もご参考に)
冬に黒いクチバシのシラサギがいればコサギです。夏はみんなクチバシは黒いですが、コサギは冠羽があります。
ダイサギとチュウサギの違い
ダイサギとチュウサギの判別は少し難しいです。20cmほどの大きさの違いはありますが、個体差もありますし、一羽だけでいるときに「ダイサギかな?チュウサギかな?」と悩んだときには、先ほどご紹介した季節によるクチバシの色の違いに加えて、口角の様子もチェックしてみましょう。双眼鏡があるとわかりやすいです。
ダイサギは口角が目の後ろ端をこえて伸びています。一方、チュウサギは口角が目の後ろ端とほぼ同じ位置です。ダイサギは口裂け風といった感じでしょうか。それ以外にはダイサギは首が細くヒョロ長いのに対して、チュウサギはクチバシと首が太く短いです。
車窓からも田んぼでいるのを見かける
出張で特急列車や新幹線に乗っているときに、車窓から遠くの水田に佇んでいるダイサギをよく見かけます。大きいので遠くからでもよくわかります。
残念ながら東京の都市部ではあまり見かけたことはありません。僕のフィールド、善福寺川流域ではまだ出会っていません。今まで東京で会えたのは目黒区の林試の森公園と大田区の野鳥公園です。
私の友人にも、野鳥の中でアオサギやダイサギが好きという人がいます。大きく羽ばたく姿がかっこいいというのが理由です。バードウォッチングが趣味という人に尋ねて見ると、好きな鳥は様々です。小さな鳥が好きという人、きれいな鳴き声に聞き入る人、ダイサギのように美しく優美なたたずまい、そんなバーダーの萌えポイントが面白いなぁ、と思います。