アオサギ、歌舞伎役者のような凛々しい顔

アオサギ 画像

アオサギの目にひとめぼれ

アオサギとの印象的な出会いがあったのは、東京港野鳥公園でした。野鳥小屋という壁にのぞき窓のような穴の空いた鳥を観察する場所があります。野鳥の邪魔をせず、観察できる設計なのですが、そこから東京港の干潟に向けて備え付けの望遠鏡でのぞいた時にたまたま目にはいったのがアオサギでした。10メートルほど離れていたのですが、そのときに見たアオサギの目が、むちゃくちゃかっこいよかったのです。歌舞伎役者の隈取のようないかつさ、伊藤若冲の群鶏図に出てきそうな雄々しさを感じました。

その目が、とてもリアルで感動しました。実はそのときまだ自分の双眼鏡を持っていなかったのですが、もし自分の双眼鏡があればこんな経験がもっとできるのでは、とイメージが湧き、その時初めて「バードウォッチング用のマイ双眼鏡をほしい」と思ったのでした。

アオサギの特徴

アオサギの特徴をご紹介していきます。

水辺でよく見る

妻に「サギって水鳥?」と聞かれました。善福寺川の川辺で見かけるのでそう思ったのでしょう。サギは水鳥ではありません。魚やカエル、ザリガニなどをエサとしているので、水辺でよく見るのですが、水鳥ではないんですね。水鳥とはカモのように指の間に水かきがあって水の上をプカプカ浮いているような野鳥です。

日本のサギ科では最大級の大きさ

日本にいるサギ科の野鳥は約20種類ですが、その中でもアオサギは最大級の大きさです。川で見かけてもその存在感で「お、アオサギ」とすぐに気づきます。おそらく日本で観察できる野鳥の中でも最大級の野鳥だと思います。

頭頂に黒色の羽(冠羽)がある

見分けやすい特徴は頭頂にひょろりと一筋伸びた黒色の羽です。水辺を歩いているとゆらりゆらりと揺れる姿が優雅です。

飛ぶときは首を縮める

サギというと首がひょろりと長い、ツルと似たような姿を思い浮かべると思います。飛ぶときツルは首を伸ばして飛びますが、サギは首を縮めて飛びます。また、サギは水辺で静かに立っていることがあるのですが、そのときも首を縮めているのをよく見かけます。ちょうどこのブログの最初のイラストのような感じです。


アオサギだけど、青くない

「あお」サギといいますが、青ではないのです。一般的に青色をもつ鳥は「瑠璃(るり)」が名前に付くことが多い気がします。ルリビタキ、オオルリ、ルリカケスなど。「あお」が付く理由はいくつか説がありますが、青という色が古語ではあいまいさを表す色と言われていて、黒でもなく、白でもない、淡い灰色という意味では確かにしっくりきます。他には、水辺にいる鳥で、水の色、というか反射した空の色が映えて青く見えるから、という説もあります。なるほど~

善福寺川一帯でよく会える

善福寺川一帯では、和田堀公園や善福寺公園にいくとよく見かけます。関西に住んでいたときには、琵琶湖畔や田んぼなどで見かけていました。

電車の車窓から景色をながめていると、田んぼの畦道や小さな川べりなどでよく見かけます。アオサギは体が大きいのでわりと遠くから、乗り物の中からでも見つけられる野鳥です。単独で見ることもありますが、肉眼で見える範囲内に4~5羽散らばって群れていることもあります。

アオサギはとても身近で、比較的会いやすい野鳥です。もし双眼鏡をお持ちの方は、アオサギの顔をぜひ双眼鏡で見てみてください。動きがスローなので、双眼鏡のレンズに合わせやすいですし、何よりバードウォッチングの新しい喜びに出会えることと思います。

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