これまでに僕は3回ヤマガラに会いました。最初は多摩動物公園、2回目は高尾山、3回目は河口湖畔と、いずれもちょっと郊外の木々が豊かに茂ったところでした。僕の住む杉並区では見かけたことがなく、会ったときはその場所の癒やし効果もあり、とても嬉しかったことを覚えています。
ヤマガラは見た目も可愛らしく、人気のある鳥です。実は周りを活用し賢く生きる、つわ者でもあります。そんなヤマガラをご紹介していきたいと思います。
ヤマガラの特徴
お腹が山吹色
胸から腹部にかけてレンガ色をしています。頭部・くちばしは黒です。
留鳥
ヤマガラは北海道から沖縄まで幅広くすむ留鳥です。土地に対する執着心が強く、狭いエリアだけで生活を行います。また野鳥には珍しく、他の種の野鳥と同じ木に巣を作ったりすることもあります。
鳴き声は「ツーツーピー」
ヤマガラはツーツーピーと、シジュウカラのツツピーに比べてゆったりとしたテンポでさえずります。地鳴きはツーツーチー、ビービーなどシジュウカラよりも低音でちょっと鼻にかかったようなかすれ声です。
貯食の習性がある
秋にとった木の実を木の割れ目に隠す習性があります。
昆虫や幼虫など食べますが、堅い木の実も好みます。特にエゴノキの実が好きで、くちばしで器用に割って食べたり、貯食します。
よく茂った広葉樹林が好き
平地から低山の林にすんでいて、よく茂った広葉樹林を好みます。
混群になる
混群といって、違う種類の小鳥群れを作ることです。よく混群になるのは、エナガ、シジュウカラ、メジロ、コゲラなどです。周囲を見張る目を増やすことで、敵が来るのを早く察知したり、食べ物を効率よく探したりするメリットがあります。ヤマガラはエサを見つけるのが早く、他の鳥にいち早く教えることができるます。
他の種類の野鳥と同じ木で寝たり、同じエサを食べたりと、周りと仲よくするのが上手な野鳥です。
人懐っこい
ヤマガラは人間に対してもあまり怖がらず近くまで寄ってきます。昔は縁日などでヤマガラのおみくじ引きなどがありました。ミニチュアの参道からお社で鈴を鳴らし、おみくじを引き戻ってきて置く、という難しい芸をやっていました。日本古来の伝統芸能として日光東照宮でも披露されていたとか!今は鳥獣保護法により捕獲が禁止され、見ることはなくなりました。
名前の由来
ヤマガラ漢字で書くと“山雀”です。シジュウカラの仲間です。カラは“雀”の字ですが、スズメそのものというより小鳥という意味合いが強いのではと思います。山に住む小鳥で しょう。調べてみると山吹色をしているので山雀になったとの説もあります。
ヤマガラとヤマゲラ、名前はよく似ていますが全然違います。ヤマゲラはキツツキの仲間で、北海道にすんでいます。木の幹に止まり幹に穴を掘ったりします。一文字違いですが、共通点は山にすむというくらいで種やルックスは全然違います。
ジョウビタキ(オス)との違い
お腹が山吹色でよくにた野鳥にジョウビタキのオスがいます。遠くから見ると大きさも色合いもよく似ているのですが、見分けるポイントは顔の色です。ジョウビタキのオスは顔全体が黒いです。一方ヤマガラは目の下からくちばしあたりに白い帯があります。また ジョウビタキのオスは羽に白い斑点があります。その2つが見分けるポイントです。
初めてヤマガラに会ったのは多摩動物公園とお話しました。余談ですが、多摩動物公園は東京のバードウォッチングのおすすめポイントです。樹木も多く、園内が起伏に富んだ地形になっていて、多くの野鳥の声を聞くことができます。僕も子どもと何度か訪れたのです、毎回動物よりも野鳥にワクワクしてしまいます。
ヤマガラはかわいいルックスで、エサをみつけるのが早く、その情報を仲間にもいち早く教えてあげ、仲間の懐にスッと入り込む、そんな人柄ならぬ鳥柄を感じます。ちょっと郊外に行くとヤマガラをついつい探してしまう僕です。