“野を擦る(する)”猛禽類、その名はノスリ 名前の由来とは

ノスリ イラスト

ノスリを初めて見たのは練馬区の光が丘公園でした。バードサンクチュアリがある公園で、以前から行ってみたいスポットでした。バードサンクチュアリを満喫した思い出とともに、ノスリを初めて見たことがそのときのいい思い出となっています。

バードサンクチュアリ、いいね!

練馬区にある光が丘公園のバードサンクチュアリがとてもよかったのです。都営地下鉄大江戸線の「光が丘」駅下車、徒歩10分以内で到着できるアクセスの良さ。街中だけど観察施設がしっかりしていて、レンジャー(案内の人)がいて色々教えてくれました。歩いたり自転車で来ている人が多く、地元の人にも愛されている公園なんだなとおもった。

バードサンクチュアリで何気なく森の方を眺めていると、「ノスリがいる!!」と声がしました。その方向を見ると2羽いました。自分の双眼鏡なら小さくしか見えなかったけど、備え付けのもので見てみると、とても大きく見ることができました。猛禽類なのに、優しいかわいい顔をしてるんだな、というのが第一印象でした。猛禽類は獰猛で眼力があるイメージがあり、実際以前見たオオタカはゾクッとするほどでした。ノスリは瞳が大きくて愛らしい顔でした。

ノスリの特徴

ではあらためてノスリの特徴を見ていきましょう。

タカ科、カラス大

オスは53cm、メス57cmとメスの方がオスよりひとまわりほど大きいです。

トビより色が薄くずんぐりした感じ

猛禽類でノスリに似た野鳥にトビがいますが、トビよりも短い丸い尾をもち、飛翔中の翼下部を見るとトビとの違いがよく確認できます。トビは全体として黒いですが、ノスリは白っぽいです。

秋冬は暖地や低地にも移動し、草地や農耕地などの開けた環境で単独で見られる

ノスリはユーラシア大陸の温帯に広く分布しています。日本では、ノスリは関東地域でトビに次いで個体数が多く、低山の林で繁殖します。非繁殖期には低地の疎林や広い農地、河川敷埋立地などにも生息しています。北海道では夏鳥で、九州以南では冬鳥です。

ヘリコプターのように停空飛翔(ホバリング)をする

ノスリは空中で一点でとどまる飛び方(ホバリング)をします。ホバリングをしながら口笛のように「ピーエー」という鳴き声を響かせます。結構頻繁に、急降下をしてネズミなどを捕らえます。また杭や電柱、樹木のてっぺんなど細長いものの頂上に止まる姿も確認することができます。

名前の由来 “野を擦る(する)”

ノスリの名前が面白いです。地面に顔をこするように低空飛行をして、地上にいるネズミなどを捕まえる特性から名前の由来と言われています。農作物を食べてしまうネズミやモグラを捕まえてくれるため、農地の守り神とされてきました。

初心者でも気軽に楽しめるバードウォッチングスポット

これまで僕が街の中で見ることができた猛禽類は、オオタカモズトビです。そして今回は新たにノスリを見ることができ、とても感激しました。東京港野鳥公園のレンジャーブログでも毎日のようにノスリが見られたと綴られていたので、環境が整っていたら東京でも観察できるのかなと思っています。

今回、光が丘公園のバードサンクチュアリでレンジャーさんに「いつも見られるんですか?」と聞いたところ、「夏場は高山にいて、涼しくなったら街に下りてくるので秋以降は割と見れますよ」と教えてくれました。

光が丘公園のバードサンクチュアリを大絶賛している僕ですが、双眼鏡や望遠鏡を持っていないバードウォッチング初心者の方やちょっと野鳥に興味がある人でも軽装で電車で行ける、足場もスムーズ、レンジャーもいる、と、本当にいいことずくめの公園です。東京周辺に住んでいれば、初心者でも気軽にでもしっかりと楽しめるスポットだと思います。

娘たちと一緒に行ったのですが、野鳥だけでなくザリガニや魚が水槽に入って観察できたり、塗り絵コーナーがあったりで、子供連れでも楽しめました。けっこうレンジャーさん厳細やかに配慮されていて、3歳の娘が望遠の窓を覗き込むべく、椅子によじ登っていたら「危ないよ!!」とすぐに飛んで来られていました。

レンジャーさんが場を仕切っていらっしゃる独特な空間なのですが、「見えた!」「どこ?」「いつも見れるの?」のような会話がレンジャーさんを中心にバーダーの方々の間で静かに繰り広げられていて、僕としては居心地がよく癖になりそうでした。

「光が丘公園のサンクチュアリ=ノスリ」のイメージがついた僕でした。また季節を変えてぜひ訪れたいなと思っています。

ノスリ イラスト
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