身近な猛禽類、トビ

トビ イラスト

ワシやタカ、フクロウでイメージする猛禽類はあまり街の中で見ることはありません。僕の中でのイメージはサバンナや深い森の中で動物の死体をついばんでいる姿です。でも猛禽類であるトビは街の中でも身近に見ることができます。

トビの特徴

トビよりも「トンビ」の呼び名の方が身近ではないでしょうか。「飛~べ飛~べトンビ~♪」で有名なトビです。正式には「トビ」です。トビの特徴を見ていきましょう。

凹型の尾羽(おばね)、翼に白い模様

猛禽類の中でもトビだけの特徴はその尾羽です。トビの尾羽は凹型をしています。トビは枝に止まっているよりも、上空を飛んでいる時の方が見かける機会も多いと思います。カラスと同じかそれ以上の大きさの鳥が上空を羽を広げて飛んでいて、尾羽がM字型で翼に白い模様があればトビです。

農耕地、市街地、海岸にすんでいます

九州以北にすむ留鳥で、季節を問わず見ることができます。山地の林や海岸はもちろん、市街地にもすんでいるのがトビの特徴と言えます。

ピーヒョロロロロ

上空からピーヒョロロロロと聞こえてきたらトビです。羽を広げて気持ちよさそうに飛んでいる姿が目に入ることでしょう。

エサは死んだ動物

トビは死んだ魚や動物の死体などを食べます。生きた動物を襲うことはあまりありません。

帆翔(ソアリング)をする

鳥の飛び方には羽をバタバタと羽ばたかせながら飛ぶ「羽ばたき飛行」、翼を広げたまま滑るように飛んでいく「滑空(グライディング)」、上昇気流に乗って飛ぶ「帆翔(ソアリング)」などがあります。トビはソアリングをします。地形の凹凸によった起こる気流や、太陽熱で地表が温められてできる上昇気流を利用して円を描きながら上昇していきます。ハングライダーや熱気球と同じ仕組みですね。

猛禽類について

ワシやタカ、フクロウなど猛禽類の特徴についてあらためて見てみましょう。

カギ型に曲がったくちばし

猛禽類は肉食性です。そのためかぎ型に下に曲がったクチバシは太くて鋭く、肉を食べるのに適しています。肉を引き裂くのに適したクチバシです。

目がいい

猛禽類は両目が前を向いています。そのため両目で見える範囲が広く、より立体的に獲物を見ることができます。狙いを定めて、強靭なつめでつかみにかかります。

力強いあしと鋭いかぎ爪

足は太くてしっかりしています。また足指には鋭いかぎ爪がついていて、獲物をがっしりと捉えることができます。

タカとワシってどう違う?

タカとワシってどう違うのでしょうか。僕の中では、タカは鷹狩りのように人の腕に止まるサイズ、ワシは小さな赤ちゃんをさらってしまうくらい大きいイメージです。体の大きな種をワシ、中型以下をタカと呼び、はっきりした区別はありません。

トビは身近、でも要注意!

トビは街中でも見かける身近な猛禽類です。トンビの歌やことわざ「トンビに油揚げをさらわれる」もあるように昔から身近な野鳥だったのだと思います。

トビに関しては、僕の妻が怖い思いをしたことがあります。娘が4歳だったときに、天気の良い春の日に賀茂川でランチをすることにしました。近所のパン屋でパンを買い、河川敷に座ってピザパンを食べようと「いただきます!」と言った瞬間「バサッ」という大きな音が!見ると隣に座っていた娘の手からパンがなくなっています。何が起きたのか理解できず、娘は呆然と、そして急に恐怖で泣き出しました。それは背後からきたトビを奪われたのでした。上空を見るとピザパンをくわえたトビが飛翔していて、パンの入っていた袋が舞い落ちているところでした。パンだけを奪っていったトビでしたが、鋭いつめで傷つけられることがなくて良かったとホッとしたと話していました。

京都では賀茂川だけでなく、府立植物園でもトビに食べ物を奪われたという娘の友達もいて、ピクニックスポットでトビは狙っていることを知りました。男性がいるとあまり狙わないようです。子供や女性の方が多いとか、トビはよく見ているんですね。京都府のホームページでも賀茂川でのトビに注意喚起する記事を見つけました。

親戚がいて千葉の外房によく行きます。港でピーヒョロローという声が頭上から聞こえてきて、見上げるとトビが気持ちよさそうにソアリングしています。そんな姿を見ると月並みですが「鳥って空飛べていいなあ」と思う僕です。

 

トビ イラスト
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