セグロセキレイは日本固有種
セグロセキレイは、英名はJapanese Pied Wagtailと言います。直訳すると“日本の白黒セキレイ”といったところでしょうか。セキレイ類はユーラシア大陸の北方やアフリカに分布していますが、日本では6種が確認されています。そんなセキレイの中で、セグロセキレイは日本固有種です。つまり日本以外の地域では見ることができないということです。外国人バードウォッチャーにも人気の野鳥です。
「日本固有種」に興味が湧いたので調べてみました。動物では131種が日本固有種で、そのうち鳥類は16種+繁殖固有種6種です。見てみると小笠原諸島や奄美諸島など離島にすむ野鳥で耳馴染みのない鳥が多い印象でした。そんな中、セグロセキレイは全国で見ることができる野鳥で、割と名前も知られています。「セグロセキレイって、そんなレアな野鳥だったの!?」と妻は驚いていました。
参考:国立科学博物館「日本固有種目録・鳥類」
セキレイはちなみにWagtailといいます。wagtail=お尻を振り動かす、という意味です。セキレイは細長い尾を上下に振りながらツツツツッと歩き回ります。セグロセキレイもそうです。
セグロセキレイの特徴
留鳥
北海道から九州までの河川や湖沼の周りで見られる留鳥です。
鳴き声は「ジジッジジッ」
繁殖期には「チチージョイジョイジョイ」とさえずります。字面にしてみたものの、再現できているか難しいです。こちらで聞いてみてください。
参考:BIRDFAN「セグロセキレイ」
水辺を好む
セグロセキレイは川の中流、ハクセキレイは下流、キセキレイは上流と、以前はすみ分けしていましたが近年では必ずしもそうではありません。ハクセキレイは都市化に順応して、水辺だけでなく駐車場などでもみられるようになりました。一方セグロセキレイは水辺で、石のある河原などにすんでいます。
セグロセキレイとハクセキレイの違い
日本で身近に見られるセキレイ類は3種類います。セグロセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイです。
セグロセキレイとハクセキレイが白黒系で背中はどっちも黒く、キセキレイは黄色系です。セグロセキレイとハクセキレイの区別が難しいので見分け方を紹介していきます。
ハクセキレイ、キセキレイについて詳しくはそれぞれの記事もぜひご覧ください。
配色
セグロセキレイは名前の通り背中が黒いのですが、ハクセキレイも背中は黒いので、背中の黒さは見分けるポイントにはなりません!
セグロセキレイ | 顔の下半分が黒い、黒の面積が大きい、眉と額だけ白い |
ハクセキレイ | 顔が白くて、クチバシから目を横切って走る黒い線(過眼線)がある |
ハクセキレイ セグロセキレイ
すむところ
セグロセキレイ | 水辺 田んぼなど |
ハクセキレイ | 水辺、草原、駐車場など街中 |
鳴き声
セグロセキレイ | ジジッジジッ♪ |
ハクセキレイ | チチンチチン♪ |
鳴き声参考:BIRDFAN
ハクセキレイの方が生息範囲が広いので見かける機会は多いかもしれません。僕はセグロセキレイを善福寺川沿では見たことがありません。初めてみたのは、佐賀の嬉野温泉の脇を流れる嬉野川の遊歩道ででした。温泉から出て、河原で子供と石投げしている時に見たのです。他には京都の相国寺の池、多摩川の河川敷でも見ました。ハクセキレイが多い中、セグロセキレイはハクセキレイに比べて全体的に黒っぽいので「あれ?いつものハクセキレイと違う」と気付くようになりました。
日本固有種は日本でしか見ることのできない種、というだけでなく、絶滅危惧種にも繋がるような、レア、稀少というイメージもあります。実際セグロセキレイは個体数が減ってきていると言われています。ハクセキレイが都市化にも順応できて生息環境を広げてきている一方で、セグロセキレイは水辺から離れることができず、順応できないためとか。あと20年経つ頃にはどうなっているのでしょうか。がんばれセグロセキレイ!とエールを贈りたい僕です。