レモン色のワンピースにグレーのカーディガンを羽織ったスリムな美女
僕にとってのキセキレイのイメージはまさにタイトルです。なんとなく地味な色合いの多い野鳥の中でも際立って美しい野鳥です。ツグミが秋冬のファッションリーダー、カワセミが川の宝石とお話してきましたが、キセキレイはスッとした細身の美女です。妻は「キセキレイって北川景子みたい」と言っています。
キセキレイの特徴
そんなべっぴんさんのキセキレイの特徴をまとめてみました。
お腹がライトイエロー
キセキレイは漢字で書くと「黄鶺鴒」です。セキレイの仲間で、お腹が薄いレモン色です。オスとメス、季節によって色が少し変わります。夏羽はのどのあたりが黒く、冬羽は白くなります。イラストはオスの夏羽を描きました。
川原、水辺にいる
キセキレイは川原で見かけることが多いです。セキレイの仲間は棲み分けをしていて、キセキレイは上流、セグロセキレイは中流、ハクセキレイは下流にいるそうです。僕の近所の善福寺川では圧倒的によく見るのはハクセキレイですが、別に下流というわけでもありません。またセグロセキレイは善福寺川沿いで見たことはありません。中流あたり歩いていると思いうのですが…。種類によっても住んでいる個体の数に差はあるのだと思います。
鳴き声「チチンチチン」
キセキレイの鳴き声は金属的な声で「チチンチチン」です。羽ばたいているときによく鳴いています。ハクセキレイとよく似ていますが、普段ハクセキレイの声はよく聞き慣れているので、キセキレイを聞くと「あれ、ちょっと違うチチンチチンだな」と気づきます。これまでまだ5回ほどしかあったことがなく声を聞く機会も少ないので、どこが違うという詳細は、続けて探求してみます。わかったらご紹介しますね。
ハクセキレイとの違い
ハクセキレイは僕にとって非常に身近な鳥ですが、一番の違いは、キセキレイは黄色いお腹ということです。キセキレイと長い尾を上下に振りながら歩くのもハクセキレイと同じです。サイズ感も近いのですが、キセキレイのほうが体の線が細いように感じます。
キセキレイは留鳥
キセキレイは九州以北で繁殖する留鳥です。
街で見かける黄色い野鳥
僕がキセキレイと初めてあったのは、夏の暑い日のことでした。アパートの駐車場のアスファルトの真ん中に黄色いお腹の鳥がいました。「きれいな鳥だな」と思って図鑑で調べたところキセキレイでした。
野鳥の中でも街で見ることのできる黄色い鳥は何種類かいるのでご紹介します。
・キビタキ
オスは黒ベースの中に目の上が黄色く、胸のあたりがややオレンジ色をしています。
キビタキについて詳しくはこちらの記事も参考に
・カワラヒワ
キセキレイと同じように川原で見られる、カナリアのように「キリリリ、コロコロ」と美しい声で鳴きます。遠目から見るとスズメのようですが、ちらりと鮮やかな黄色がのぞきます。
カワラヒワについて詳しくはこちらの記事も参考に
・ツメナガセキレイ
濃いオレンジ寄りの黄色 山の紅葉林、渡りの季節には市街地の公園や民家の庭でも見られます。旅鳥として日本海側で稀に見られます。英名はyellow wag tailです。実はキセキレイの英名はgrey wag tailです。日本語では「黄セキレイ」ですが、yellow がつくのはツメナガセキレイの方なのですね。ツメナガセキレイは実際キセキレイよりも濃い黄色です。
会えるのは珍しい 4つ葉のクローバーを見つけたときのようなラッキー感
これまでにキセキレイとは善福寺川、井の頭公園、深大寺水生植物園で出会いました。全部で5回ほどです。そば好きの僕は深大寺でそばを食べるときに満席で待ち時間があるときに近くの水生植物園に行くのですが、そこで2度ほど見ました。
キセキレイと会ったことは、そう多くありません。福引のガラガラを回すとほとんどは白(ハクセキレイ)、20回に1回は黄色(キセキレイ)がコロコロと出てくる。そんなイメージです。
それだけに出会ったときのラッキー感はひとしおです。四つ葉のクローバーを見つけたときのように嬉しく声を上げてしまう僕です。娘にも「お、キセキレイきた!」と言うのですが、「ふーん」と無関心にすまされてしまうのがちょっと悲しいです。
バードウォッチングをしていると、必ず会える喜び、たまに会える喜び、決まった季節に会える喜び、初めて会える喜び、と様々な喜びを野鳥が与えてくれます。「今日は会えた!」という一日のささやかな喜びが、僕を次の野鳥観察につなげてくれます。