キビタキの鳴き声に思わず耳をすます!初夏の新緑に映える黄色

キビタキ イラスト

今回は、声も姿も美しくカワセミと並んでバードウォッチャーに人気である「キビタキ」の魅力と、僕のキビタキとの出会いについてご紹介していきます。

僕とキビタキ

初めてキビタキに会ったのは、埼玉県の狭山公園です。家族でピクニックがてら歩いているとどこからともなく聞き慣れないとても美しい声が林の中から聞こえてきました。ちょうど近くにいた年配のバードウォッチャーの方が「キビタキだよ」と教えてくれました。

今まで会ったことがなく、とても会いたいと思っていたキビタキだったので、がぜん僕の中で緊張が走りました。実際に出会ってみるとまず、声が大変美しいことにとても驚きました。また双眼鏡をのぞいてみると想像以上に黄色が美しくその他の黒や白といった色合いも実は非常にカラフルでおしゃれな野鳥であるということがよくわかりました。

百聞は一見にしかずといいますが、やはり本や画像で想像していた美しさとは比較にならないほど魅力的な野鳥でした。このファーストコンタクトの感動は一生忘れることはないと思います。またこのようにブログに記録できて大変良かったと思います。

ではあらためてキビタキの特徴についてご紹介していきます。

キビタキの特徴

美しい鳴き声

「ピコリ」とひと声鳴いたあと、長い節でさえずります。腰をふくらませるようにしてさえずります。結構長い間木の下で聞き惚れました。
普段はツクツクボウシに似た鳴き声「ツクツクオーシィ、ピッコロ、ピッコロ」、渡ってきてすぐはオス同士の縄張り争いが激しく、ブーンとハチのは音のような声を出してライバルを追い回します。

他にも「ピチュリーピピリリィ ピッコロロロロロ」など多くのバリエーションを持つ声で鳴きます。
聞きなしといって、鳴き声の響きを人の言葉に当てはめることですがキビタキの聞きなしは「オーシツクツク」「ちょっとこーい」です。

初夏のファッションリーダー 黒・白・黄色が新緑に映える

オスは胸が黄色、特に喉元は鮮やかなだいだい色で、目の部分に切れ込みのように黄色い模様(眉斑)あります。キビタキのお腹の黄色は歳を重ねるごとに、範囲が広くなっていくそうです。このとき出会ったバードウォッチャーの方が教えてくれました。
メスは全体的にオリーブ色がかった褐色で、結構地味です。

 

代表的な夏鳥

夏鳥として北海道から沖縄までの平地から山地の落葉広葉樹林にやってきて、木の洞などの隙間に巣をつくります。春と秋の渡り期には都市公園でもみられます。

スズメよりも小さく、全長14センチです。渡りをする鳥の中でもキビタキは最小サイズです。小さな体で数千キロもの距離を休みなく飛ぶなんて本当に大したものです。小さな体に大きなパワーを秘めているツワモノです。

まずは森林で響き渡る声でその存在に気づくという感じでしょうか。それから双眼鏡でよくよく覗いてみると美しい色合いのキビタキに会えるのです。小さいけれど会ったときの感動とその存在感は特別です。

英語名Narcissus Flycatcherは「水仙のヒタキ」

英語名の「ナルキッサス・フライキャッチャー」は「水仙ヒタキ」いった感じでしょうか。水仙ははギリシア神話のナルキス(ナルシストの語源)の生まれ変わりと言われます。水面に映った自分の美しい姿に恋をし、泉の縁から離れられずやせ細って死んだ後、泉のほとりに1本の花が咲いた…。それがスイセン。そんなスイセンのように黄色が映えて美しい様子からきているのですね。

英名でヒタキはFlycatcherと言います。雑食性なのですが、繁殖期は主に昆虫類を空中で捕まえて食べます。その様子からついた名前なのですね。

キビタキに似た鳥

ムギマキ
春と秋に通過していく旅鳥です。秋の麦まきの頃に渡ってくることが和名の由来。名前がかわいいですね。それだけ麦蒔きというのは日本人にとって身近で大切な行事だったのでしょうね。
オスはキビタキと似ています。ただキビタキと異なり目の上におじいさんのように白い眉毛風の模様あります。ムギマキのメスは褐色だけど、胸部は黄色です。

僕はヒタキが好き

僕はヒタキが好きです。特に秋のジョウビタキと春のキビタキは特別な存在です。どちらも季節の移ろいを告げてくれる渡り鳥であり、見た目も可愛らしいし、毎日会えるわけでないし、僕にとってのヒタキに会えることはバードウォッチングの醍醐味だと思います。

ジョウビタキは僕をバードウォッチングの世界にいざなってくれたきっかけとなった野鳥であり、このバードウォッチwingのブログでも一番初めに記事にしました。このブログの記事は直接観察したことのある野鳥についてのみイラストを描き、記事を書いています。本当は人気の野鳥であるキビタキももっと早くに載せたいと思っていましたが、これまで残念ながらキビタキを直接観察したことがありませんでした。

ところがこの初夏に初めてキビタキ(オス)に出会うことができたので早速イラストを描き、記事を描きました。やっと記事にでき、僕のバードウォッチングライフの節目ともいえる出来事でした。

実はこれまで春に冬鳥が渡ってしまったあとのバードウォッチングは少し寂しい気がしていました。観察できる野鳥の種類が大幅に減ってしまうからです。また木の葉も生い茂るため、バードウォッチングしづらいシーズンだと苦手に思っていました。

ところがこのキビタキとの出会いがあってから、新緑シーズンのバードウォッチング観が変わりました。

キビタキよ、どうもありがとう。春もいいものだね。

 

キビタキ イラスト
最新記事をチェックしよう!