驚きの連続、カワセミ

カワセミ イラスト画像

カワセミは僕のバードウォッチング観を変えてくれた鳥です。街の中に住んでいてバードウォッチングなんてできない、郊外の山まで出かけないとできないことだと思っていました。わざわざ遠くに行かなくても、自分の生活圏内でバードウォッチングが楽しめる、というバードウォッチングの可能性を広げてくれたのがカワセミでした。

鳥図鑑の表紙を飾ることも多い、カワセミ。“飛ぶ宝石”、“川の宝石”とも呼ばれます。そんなカワセミは僕にとって会ってみたいけれども、一生出会えることはないだろうと勝手に思っていた憧れの鳥のひとつでした。

実は身近

初めて会ったのは、練馬区の石神井公園の池で。こんな街中にいるなんて!とびっくりしました。大きなカメラを構えた人が何人か見ていて、何かな?と思ったらカワセミでした。ラッキーと思いました。

渓流沿いや山奥のような大自然に行かないと見れないと勝手に思っていました。東京のど真ん中で会えたことに驚きました。それからも善福寺川沿い、和田堀公園でも見ました。

実は小さい

「小さい!」びっくりしたのは、その大きさです。図鑑の表紙を堂々と飾っているイメージもあり、ムクドリくらいの大きさかなと思っていました。実際はスズメより少し大きいくらいでしょうか。

「存在に気づく」ということが大切かも

街の中で見ることができ、しかも小さい鳥という認識が変わったことで、見る目が変わりました。それから善福寺川沿いでしばしば見かけることになります。存在に気づいたことで、見つけやすくなったのかもしれません。

カワセミの魅力

色がいい

コバルト色とオレンジ色、このコントラストがすばらしい。人がつくった色ではない自然界の色は奇跡だと感じます。輝きが違います。本当に美しい。カワセミは年中見かけますが、俳句の世界では夏の季語です。夏の青々しい若葉とカワセミの色のコントラストが絵になるからでしょうか。

名前がいい

カワセミは漢字で“翡翠”とも書かれます。宝石の翡翠(ひすい)に色が似ているからかな、と思っていましたが、実はカワセミの方が先でした。翡はカワセミのオス、翠はカワセミのメスのことで、鳥のカワセミの色に似ているから翡翠と呼ばれているそうです。

声がいい

飛ぶときに、高い声で「チューッ」と泣きます。本には「チーッ」と書いてあることが多いのですが、僕には「チューッ」が近いかなと思います。声でその存在に気づくこともよくあります。

しぐさがかわいい

カワセミは近くに寄って行ってもあまり逃げません。よくよく観察していると、キョロキョロと頭を動かしたり、時には首をかしげたりすることも。それがまたたまらなくかわいいのです。

一直線にシュッと飛ぶ 

キュートな姿からは意外なのですが、飛ぶのが速いです。新幹線500系のモデルにもなったカワセミ。川面をシュッと一直線に滑るように飛び素早く魚を捕る姿もいいものです。

ほぼ毎朝、善福寺川沿いで見かける

娘を保育園に送る際に同じ場所で、ほぼ毎朝見かけます。善福寺川の河原です。2歳の娘も舌足らずでサ行が怪しいのですが「かわちぇみおはよう!」と声をかけています。ときには同じ場所で夕方見かけることもあります。

先日の台風19号で善福寺川も溢れそうになりました。カワセミのことも無事かと心配していましたが、変わらず姿を見つけホッとしたものです。

初めてカワセミに会って以来、憧れだった鳥が身近な鳥になりました。とは言え、その美しさから、見かけると必ず立ち止まって見てしまいます。見かけたときのご褒美的な嬉しさは他の鳥にはないものです。

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