意味深な名前ですね。ゴジュウカラ。何が五十からなのでしょうか?シジュウカラとの関係性はあるのでしょうか?謎が謎を呼ぶミステリアスなネーミングの野鳥、ゴジュウカラ。本日はユニークなその小鳥にせまってみたいと思います。
初めて出会ったのは、旭川市「旭山動物園」でした。12月に家族で訪れるチャンスがあり、キュートなペンギンやアザラシたちはそっちのけ、あたりの木々をガン見しているときに出会いは訪れました。
「したり。」
ゴジュウカラではありませんか!!木の幹を這い回る姿はさしずめヤモリのようでしたが
「美しい。」
惚れ惚れしたのをよく覚えています。人をあまり恐れないのか、結構近くまで寄っても逃げずにいてくれました。
ちなみに、私の出会ったのはおそらく、亜種シロハラゴジュウカラ。北海道にしかいないタイプのゴジュウカラで本州のものよりもお腹が白いのが特徴です。(イラストもそのように描きました。)
ゴジュウカラの特徴
13.5㎝。スズメと同じくらいの大きさの小鳥です。ぱっと見ると、コゲラ(13.5cm)かなと思うようなしぐさをしており、木の幹をちょこちょこ動き回っています。高山で「あー、コゲラだね」と思い込まず、見逃さないように要チェックです。
他によく似たキバシリ(13.5cm)という小型キツツキもいますが、こちらも色が違うもののよく似た動きをします。気をつけたいところです。
さらにこのゴジュウカラは木の幹に逆さ向きにとまったり、縦にとまったりアクロバッティブなことができる唯一の野鳥です。コゲラやキバシリにはそれができません。イラストにも描きましたが、ゴジュウカラといえば、この「逆さ美人!?」の画が有名です。
ゴジュウカラの鳴き声
「フイフイフイ」と口笛のような高いトーンの声でさえずります。
地鳴きは「ツイツイツイ」です。
会える季節・地域
留鳥ですので季節を問わず日本にいます。ただ、普段は山の上にいるので街なかではあまりお目にかかれません。
私の出会った亜種シロハラゴジュウカラに関しては北海道では街の公園林でも見られます。
九州北部、本州の比較的高山の落葉広葉樹林に生息しています。生態はコゲラやキバシリに似ているので、木の幹を探すのが良いかもしれません。小さな昆虫や木の実なども食べます。また、冬季はシジュウカラなどの混群に加わることもあります。
混群とはいくつかの異なる種類の小鳥たちが群れていることです。木々の中で、野鳥の鳴き声がなんだかにぎやかに感じて樹上を見ると混群ということがよくあります。混群の野鳥に出会ったら、要チェックですね!
名前の由来
鳥好きの方に人気のシジュウカラ。漢字で書くと「四十雀」です。シジュウカラはシジュウカラ科で、ヤマガラ、ヒガラ、コガラなどの仲間がいますが、ゴジュウカラは実はゴジュウカラ科という別の種になります。
シジュウカラがいたからゴジュウカラも、と名前を付けたのかどうか知りませんが、シジュウカラとの違いを探すというよりは、まったく似ていないと個人的には思います。混群に交じるので仲間になったのでしょうか。
まあ、確かに色合いはシジュウカラよりも老いてみえるので十歳ほど年長なのかというような気もしますが、カラ類に入れるには無理があると思います。実際、シジュウカラやヤマガラは英語ではtitですが、ゴジュウカラはnuthatch(ナットハットと発音します)です。英名は割と種類を明確に区別したネーミングであることが多いので、シジュウカラとゴジュウカラは日本語では呼び名は似ていますが、種類はまったく異なるのだと思います。
名前の由来について調べてみましたが諸説あるようです。昔は「四十」は初老、「五十」は老人だったので、色合いからグレーっぽいゴジュウカラはシジュウカラに対して、老齢な雰囲気があったから、「五十雀」という説も。シルバーグレーですね。
僕は混群説(と勝手に言っていますが)を取っていますが、本当のところはどうなのでしょうか。
まとめ
野鳥観察、バードウォッチングといえばややご高齢の紳士淑女のイメージもありますが、決してそんなことはありません。ご縁があり、今この記事をお読み頂いている方は、野鳥に何かしら興味をもたれている、もち始めていらっしゃるのではないでしょうか。
ゴジュウカラを知っているなんて、なかなか粋ではないでしょうか。
バードウォッチングを始めたきっかけが、ゴジュウカラ、シジュウカラ、というのも素敵です。僕はシジュウカラ(40代から)始めましたが、ゴジュウカラ(50代)でもぜひバードウォッチングスタートしてみませんか。
それにしても名前の由来がスッキリせず、気になっています。
また何かわかりましたら、あらためて記事でご紹介したいと思います。