コアジサシ、空中から魚をめがけて急降下!

コアジサシ イラスト

コアジサシは水面上空を飛び回り、水面近くにいる魚を探し5〜15mくらいの高さからダイブして捕らえます。ほぼ垂直に急降下してパクッと魚を仕留める水辺の野鳥です。

僕が初めてコアジサシに出会ったのは東京港野鳥公園です。マイ双眼鏡を買う前で野鳥に興味を持ち始めた頃でした。レンジャーさんが「コアジサシが飛んでますよ」と教えてくださいました。

それまで木の枝や地上でとまったり歩いたりしている野鳥ばかりに注目していて、空中は意識していませんでした。遠くで飛んでいる野鳥まで判別できるなんてすごい!と思いました。僕にとって、飛んでいる野鳥にも注意を向けるということを学ぶきっかけとなった野鳥です。

 

コアジサシの特徴

草の少ない河原や海岸でコロニーを作る夏鳥

緑が少なく石ころの多い河原や海岸の砂浜で集団で巣を作ります。多いときには1000羽以上になることも。アシ原の陰や木の枝ではなく、裸地に巣を作るため、敵にも狙われやすく、敵が来ると集団で追い払います。

小石の中に夏に産卵します。チドリもそうです。卵やヒナはカモフラージュ柄で、外からパッと見るとどこにいるかわかりません。

コアジサシは環境省により絶滅危惧種II類(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。草の少ない河原が少なくなっているのも一因です。他にも様々な理由があります。また後ほど詳しくご紹介します。

 

オスはメスに食べ物をプレゼント

オスはメスに魚をプレゼントしてプロポーズします。求愛給餌(きゅうあいきゅうじ)といいます。メスの胃袋をオスがガッチリつかむんですね。他にモズやカワセミも求愛給餌を行います。

 

夏鳥

東アジアやオセアニアで冬を過ごしてから渡ってきて、本州以南で繁殖します。ベニアジサシやエリグロアジサシ などの他のアジサシ属は、鹿児島や沖縄以南の島嶼部に渡ってくるものが多いので、コアジサシは本州でも繁殖し、観察しやすい身近な野鳥です。

ちなみに総称としてのアジサシではなく「アジサシ」という名前の野鳥がいますが、これは旅鳥です。このアジサシは日本は通過するだけの場所で、日本で繁殖はしません。

 

鳴き声「キリッキリッ」

鋭い声で「キリッキリッ」と鳴きます。残念ながらまだ聞いたことがなく、いつか聞いてみたいです。

 

ムクドリより少し大きいくらい

28cmヒヨドリやムクドリより少し大きいくらいのサイズです。

夏羽はクチバシが全体的に黄色く、先端は黒いです。足は橙色です。頭頂から後頭と過眼線は黒色です。

 

冬はクチバシは徐々に黒くなり、頭頂はゴマ塩状態に変わっていきます。ちょっと落武者感があります。

 

名前の由来

コアジサシという名前を聞いて、野鳥の姿や特徴がイメージがつきませんでした。

漢字で書くと「小鰺刺」小さいアジサシですね。別に魚のアジが好物というわけではなく、アジ=一般的な魚を表しています。

そしてクチバシで魚を刺すわけでもありません。厳密にはクチバシで挟んで捕えます。

刺すかのように急降下して捕らえる様子から名付けられたんですね。

 

コアジサシの切実な現実

コアジサシは環境省により絶滅危惧種II類に指定されているとお話しました。集団で営巣し、外敵から身を守っていますが、数が減りコロニーの規模も小さくなり防御も弱くなっています。他にも、石ころのある河川が減ってきていること、確かに僕が小さい頃には石投げができるよう河原が結構あったような。また繁殖期に重なった護岸工事で貴重な繁殖地がなくなってしまったり、カメラマンにも人気のコアジサシは、カメラマンにカメラを向けられることでカラスなどの外敵に巣の場所がバレてしまい、狙われやすくなったり、魚釣りやマリンスポーツを楽しむ人たちが知らないうちに営巣地に踏み入ってしまっていたりと・・・。知れば知るほど切なくなります。

どれも悪意を持ってやっていることではなく、むしろ知らず知らずに結果的にそうなってしまっています。釣り人は魚釣りをしている河原にコアジサシの卵やヒナがいることも知らないし、マリンスポーツを楽しんでいる人も自分のお気に入りの浜がコアジサシの繁殖地ということも知らないと思います。僕も知りませんでした。まずは知るということは大事だなと思います。

 

那覇自然環境事務所:屋我地鳥獣保護区のアジサシについて

(コアジサシについてのサイトではありませんが、アジサシ属の繁殖地が危機にさらされていることがわかります。)

そんな中、水再生施設の屋上を営巣地に活用しコアジサシの保全活動をしている団体もあると知りました(リトルターンプロジェクト、Little Ternはコアジサシの英名です)。

環境保全というと=緑を大切に、と考えがちですが、コアジサシのように草のない裸地を必要とする野鳥もいるんだということに僕は驚きました。多様な生き物が生きていくためには多様な環境が必要なんですね。コアジサシのことを調べているうちに知ることができました。

 

まとめ

当サイトは日本で観察できる野鳥について知ったこと、学んだことをまとめています。

日本で観察できる=日本の野鳥、ではないということをあらためて教えてくれたのがコアジサシです。日本で観察できる野鳥は約600種と言われています。野鳥と言っても日本だけで完結している野鳥は少数で、大半の野鳥は旅をしています。今回コアジサシのことを調べるにあたり、単に個体数が減っているという現実だけでなく、その背景にも目を向けるきっかけになりました。

コアジサシのこと、知ってほしいです。

 

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コアジサシ イラスト
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