カイツブリ、ミニチュアサイズのかわいい水鳥

カイツブリ 画像

小さくミニチュアサイズ、双眼鏡でのぞいてびっくり!

水鳥にしては小ぶりな水鳥、ムクドリほどの大きさで、一瞬大きなヒナ?と思うほど、ちょっとミニチュアサイズの水鳥です。

そんなかわいいカイツブリ、よくよく観察しようと双眼鏡をのぞいてみてびっくり!「目が点・・・」になるのはこちらではなく、カイツブリの方です。そう、作り物のように、目が点なのです。雛を背に載せて子育てしているカイツブリもよくある微笑ましい光景なのですが、ひなはつぶらな黒い瞳なのに、親鳥は目が「点」なのです。ぷかぷか浮くおもちゃの鳥に雛鳥が載っているかのような、ちょっと無機質な目力(のなさ)です。ウルトラマンに出てくる怪獣のような目です。

そんなカイツブリですが、実は愛情深い鳥なのです。鳥の親子といえは、カルガモを想像するかもしれませんが、カルガモは子育てするのは主にメスです。カイツブリは夫婦で子育てします。カルガモがワンオペ育児だとすると、カイツブリは共に育児をする夫婦といった感じでしょうか。

 

カイツブリの特徴

潜るのがうまい

ペンギン並みに潜るのがうまいです。プカプカ浮いていたかと思うと潜り始め、魚やえび、水生昆虫などを獲っています。

カイツブリは「弁足(べんそく)」をもっています。水かきの役割を果たすように足指の一本一本が葉っぱのような形をしていて、ボートのオールのような仕組みで進みます。多くのカモは体半分しか潜れませんが、カイツブリは全身を沈めることができ、20〜30分潜ったままということもあります。

水面に巣を作る

水草やヨシの茎を集めて浮巣を作ります。エサを獲るために巣を離れる時には巣に覆いをするなど、賢い一面もあります。

留鳥

本州中部以南に生息する留鳥です。湖や沼、川、公園の池などに住んでいます。僕の住む杉並区では善福寺公園や井の頭公園で見たことがあります。NHKの「ダーウィンがきた」という番組でも井の頭公園のカイツブリの子育てをやっていました。

地鳴きは「キュルルルル」

繁殖期にはケレケレケレとけたたましく鳴きます。

飛び立つ時は助走をつけて

潜り専門なので、飛立つ時は助走が必要です。ハクチョウやウと同じタイプです。水上を走りながら滑走し、小刻みに羽ばたき直線的に飛んでいきます。

雌雄同色、夏と冬で羽色が変わる

夏は首のあたりが栗色(赤褐色)、冬はボサボサとした淡色です。

幼鳥は顔や首に黒い縞模様があり、冒頭でご紹介しましたが、つぶらな黒い瞳でとても可愛らしいです。

名前の由来〜琵琶湖にゆかりのある野鳥

カイツブリは「鳰」と書きます。鳥と入るを合わせた合字で、“水に入る”というところからきています。カイツブリの古名は「にほ」「にお」で、「鳰の海」、「鳰の湖」は琵琶湖の別称です。カイツブリは滋賀県の県鳥でもあります。古来より琵琶湖には多くのカイツブリがいたのですね。大津市に「におの浜」という地名もあります。

そもそもなぜ「かいつぶり」という音になったのか不思議に思い、調べてみると、『大言海』で「掻きつ潜りつの音便約略ナラムカ、或ハ、つぶりハ水二沒スル音カ、鳰ハ、入鳥ノ合字、古クハ、ニオ又、ニホ」とありました。つまり、「かきつもぐりつ」から音が変化した、もしくは「ボチャン!」ならぬ「ツブリ!」という水に入る音からきた、ということでしょうか。いずれにしても、水に潜る性質からきた名前なのですね。

琵琶湖といえばカイツブリ、今ではゆるキャラまでいるんですね!知ったかぶりカイツブリ

そして琵琶湖銘菓、「かいつぶり饅頭」。全国津々浦々のお土産で見られる、いわゆる「ひよこ」的なものなのかな、と思ったら「ひよこ」と違いバターが使われていて洋菓子っぽいとのこと。琵琶湖を訪れた時にはぜひ購入してみようと思います。

カイツブリとの思い出

むかし魚釣りをしに頻繁に琵琶湖を訪れていたときにカイツブリをよく見ていました。厳密に言うと「多分よく見ていたと思う」という感じです。釣りをしながら湖面を眺めていると、水中に長時間潜って、ちょっと遠いところからヒョコッと顔を出す小さな鳥がいましたが、名前は知りませんでした。以前は野鳥に興味がなかったので、その鳥を調べることもなく、当時は鳥よりも魚に夢中でした。

何事も関心を持つと、自然と目に入り、耳に入ってくるものです。おそらくかなりの頻度で出会っていたと思いますが、気に留めていませんでした。バードウォッチングを始めてあらためて、目に映っているものがすべて見えているものではなかったと感じます。

今度関西に行った時には、カイツブリに会いに琵琶湖にいきたいと思います。今度は釣り竿ではなく、双眼鏡を持って。

 

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