カモメといえば海の近くにいるイメージありませんか?実は内陸部でも日常的に見られるカモメもいます。それがユリカモメです。
京都では割と身近だったユリカモメが、東京に来て都民の鳥ということを知りました。赤いクチバシにスラッと伸びた赤い足、純白の麗しい姿が、夏には黒頭巾をかぶったようなルックスに変化することご存知ですか?今回は、人気のユリカモメについて見ていきましょう。
ユリカモメの特徴
最も内陸まで飛来する
ユリカモメはカモメ類の中では、最も内陸まで飛来する鳥です。海岸、港湾、湖沼、川、公園の池など、かなり街中にも進出しています。都内では上野の不忍池でも見ることができます。「カモメって海にいるんじゃないの?!」と妻は驚いていましたが、ユリカモメは内陸でも見ることができます。
雑食、ゴミを漁ることも
カモメと言えば、魚がメインなのかな、とイメージしがちですが、ユリカモメは雑食です。昆虫や木の実も食べますし、生ゴミもあさって食べたりもします。
冬鳥
ユリカモメは冬鳥です。日本には主にカムチャツカ半島から渡って来ることが、標識調査の結果からわかっています。
日本を離れる4月中旬くらいには、夏羽に変わります。お目にかかる機会も少ないのですが、ユリカモメの夏羽は非常に特徴的です。黒頭巾をかぶったように頭部が黒褐色、まさにダークチョコレートのような色。しかも群れでいる姿、写真では見たのですがちょっと不気味でした。一度生で見てみたいものです。冬の優雅な姿とは別人です。英名はBlack-headed Gullと言いますが、“黒い頭のカモメ”ですね、夏羽の様子を表した名前です。
カラスより少し小さめ
ユリカモメはカモメ類の中でも小柄です。40cmほどで、ハシボソガラスより少し小さいサイズ感です。ちなみにカモメは45cm、ウミネコは46cmです。
鳴き声は「ギューイ」「ガー」
しゃがれた声で「ギューイ」と鳴きます。
麗しいルックス
ユリカモメは冬鳥なので、私たちが見かけるのは冬羽になりますが、クチバシと足が赤く、白い体のきれいな水辺の野鳥です。水辺で多く群れている姿は水面に白い花が咲いているようです。
また、冬羽では眼の後方に黒斑があるのもユリカモメの特徴です。
若鳥は翼の上面や尾に黒い線があります。若鳥は夏になっても頭部は黒くなりません。
名前の由来
漢字で書くと「百合鷗」、ササユリやテッポウユリのように白いきれいな様子からそう名付けられたと言われています。
京都・賀茂川の冬の風物詩
実家の近くの賀茂川で冬に昔よく見かけました。冬の賀茂川は風情があって、ユリカモメが花を添えている感じがしました。「このユリカモメは比叡山を越えて、琵琶湖で寝るんや。」と父から聞いて、あんな小さな体であんな大きな山(比叡山は848m)をどうやって越えてくるんだろうと子どもながらに驚いたことを覚えています。
京都の冬の風物詩ユリカモメ(京都府HP)
そんなわけで、ユリカモメはカモメよりもウミネコよりも、僕にとっては身近です。
バードウォッチングをする以前より知っていた数少ない野鳥の一つです。ユリカモメのことを考えると、寒〜い冬の京都を思い出されます。
今年も猛暑ですが、この記事を書いていて少しだけ涼しい気持ちになりました。また京都の寒空の下、賀茂川でまったりユリカモメを眺めたいものです。