ウグイス、名前と鳴き声はメジャー級、でも実は…

ウグイス イラスト

梅とウグイス?メジロと間違えられやすいウグイス

ウグイスというとどんなイメージがありますか?僕にとってのウグイスはホーホケキョと鳴く、梅の枝にとまっている野鳥でした。

花札「梅に鶯(うぐいす)」どうみてもメジロ

僕は梅の枝にとまっているメジロを見て、ウグイスと勘違いしたこともあります。メジロの記事でもお話していますが、メジロをウグイスと思っている人は結構多いようです。その一因になっているのが花札の「梅に鶯」これはどう見てもウグイスではなくメジロです。

ウグイスはうぐいす色ではない

ウグイス色というと抹茶色というか渋い薄緑色のことですが、実はウグイスの色ではありません。実際のウグイスは灰色がかった褐色です。

うぐいす餅の存在も大きいのではと思います。明るい抹茶色の青大豆の粉がかかっていますよね。ウグイスを見たことない人もウグイスってこんな色なんだろうと勝手に想像し、思い込んでしまっているのです。

ウグイス=ホーホケキョ?

ウグイスと言えはホーホケキョですよね。僕も以前は郊外に行くとたまに聞くことがあってなんだか得した気分になっていたものです。

鳴き方にもいろいろある

鳥の鳴き声は実は一つではありません。ウグイスの場合、「ホーホケキョ」はさえずりです。しかもホーホケキョとさえずるのはオスだけで、春の一時期だけ。というのは、さえずりは主に、繁殖期に縄張りの宣言をするときやメスに求愛するときの鳴き声のことなのです。たまにしか聞けないはずです!

春の初めは「ホーホケキョ」とスムーズにさえずることができません。「ホーホケ」と詰まったりしています。それがだんだん高い澄んだ声で「ホーホケキョ!」とさえずるようになると思わず聞き惚れてしまいます。

地鳴きの方が身近「ジャッジャッ」

さえずり以外の通常の声は地鳴きといいます。互いに連絡などをするための声です。ウグイスの地鳴きは「ジャッジャッ」という舌打ちのような声です。オスもメスも「ジャッジャッ」と鳴きます。この声は年中どこででも聞くことができます。ウグイスがいるのは1メートルから2メートルほどの低木、植え込み、藪の中です。木の枝ではないので、姿も確認しづらいです。でもこの「ジャッジャッ」があれば、「あ、ウグイスがいる」と気付くことができ、そこから姿を探すことができます。

僕が初めてこの地鳴きに気づいたのは昨年末に井の頭公園に行ったときでした。池の脇の藪で鳴き声が聞こえ、見に行ったらウグイスがいて姿と鳴き声とともに確認が出来たのでした。それ以来「ジャッジャッ」という声を聞くとウグイスと気づき、家の近所でもその声を確認できるようになりました。

藪の中から聞こえてくるウグイスの地鳴きを、「笹鳴き」と言い、俳句の冬の季語になっています。

ウグイスのその他の特徴

大きさはすずめよりちょっと大きい

ウグイスはスズメよりちょっと大きいです。小鳥では珍しくオスとメスの大きさが違います。オスのほうが大きいです。

目の横にラインがある

つぶらな黒い目を通るように黒いラインがありますが、その上に白い線があります。アイラインのようです。この白いラインは、ウグイスを見分けるときの大きな特徴のひとつです。

春だけでなく年中見られる

春のイメージがありますが、実は年中見られる留鳥です(北海道では夏鳥)。「ジャッジャッ」と年中鳴いています。

餌は昆虫

ウグイスのエサは昆虫やクモ類です。梅の花の蜜には興味がないんですね。梅の木には多分とまりません。ウグイスは巣も藪の中に作ります。ヒナを育てるのはメスだけです。

実は素朴

以前はウグイスは珍しい野鳥で、数もそう多くないと思っていました。しかし「ジャッジャッ」に気づいてからは、僕にとってウグイスはグッと身近な野鳥になりました。先日は善福寺公園でたくさん見かけましたし、井の頭公園、荻窪の大田黒公園でも見かけました。

日本では春の訪れとともに華やかなイメージを持たれることが多いウグイスです。ウグイスは英語ではJapanese bush warblerと言います。直訳すると、“日本の茂みでさえずる鳥”といった感じでしょうか。やぶや茂みの中にいてなかなか姿が見えないウグイス、実は素朴なウグイス。英語の方がウグイスを言い当てていますね。

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