サンショウクイ、サンコウチョウ、オオサンショウウオ??耳で聞くとなかなか覚えられない名前ですが、和名は「山椒食」。こう書くと興味がわきませんか。
今回はサンショウクイの特徴、名前の由来についてご紹介していきます。
サンショウクイの特徴
ハクセキレイ似のスマートさん
ハクセキレイやセグロセキレイのような白と黒のモノトーンの羽色が特徴です。クチバシと足も黒で、尾羽も黒く長いです。これらもハクセキレイと同じ特徴です。
全長もほぼ同じくらいです。見た目だけで見分けるのはとても難しいです。
のちほど違いについてご説明しますね。
夏鳥
サンショウクイは夏鳥で、山地の広葉樹林に生息しています。木の上で過ごすことが多く、高い枝や葉の間で、フライングキャッチして昆虫やクモを捕って食べます。低い枝や地上にいることは少ないです。
鳴き声「ピリリー、ピリリー」「ヒリリリリ、ヒリリリ」
飛ぶときに必ずといっていいほど鳴きます。声が聞こえたら空を上空を見るようにすると見つけられたりします。春秋の渡り期には市街地の高い空を移動しながら鳴いていることもあります。
気になる名前の由来「山椒食」
山椒(さんしょう)を好んで食べるのかな?と思ったのですが、ご紹介したように昆虫類が好みです。なので山椒を食べるから山椒食ではないのです。
サンショウクイのさえずりが、山椒の実を食べて、ヒリヒリしているような声なのでこの名前がつけられました。なんとも風流な名前ですね。名付けのセンスがおよろしいですねえ。
山椒は、とうがらしやわさびと異なり、ジワジワと後から来る刺激ですよね。僕も京都のちりめん山椒大好きです。
ハクセキレイとの違い
冒頭でもご紹介したように、サンショウクイはハクセキレイやセグロセキレイととても良く似ていて、パッと見て区別が付きづらいです。ルックスで識別するのは難しいのですが、見分けのポイントは「見られる場所」と「とまり方」「季節」です。
見られる場所 |
とまり方 |
主に見られる季節 |
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サンショウクイ | 高い木の上 | 体を立てる | 夏 |
ハクセキレイ・セグロセキレイ | 水辺・地上 | 横向き | 秋冬 |
セキレイの見分け方について詳しく知りたい方はこちら
じつは日本固有種、セグロセキレイ。ハクセキレイとの違いって?
僕とサンショウクイの出会い
僕はいままで2度サンショウクイと会ったことがあります。
初めての出会いは、伊豆の民家に行った時、2階の部屋の窓から何気なく外をながめていたら、近くの高い木のてっぺんに2,3羽とまっていて、飛び立ったかと思ったらまた戻ってきました。ハクセキレイに似てるのですが、ハクセキレイはよく見慣れていたので、あれれ飛び方が少し違うなと気づきました。また、とまり方もハクセキレイが横向きに対して、サンショウクイはちょっと縦向きな感じだったので気が付きました。
2度目は、西多摩の日の出野鳥の森自然公園でした。高い木の上に鳥がいるのがわかったので、双眼鏡でのぞいてみたところサンショウクイでした。
いずれにしてもサンショウクイの鳴き声はまだ聞いたことがありません。山椒を食べてヒリヒリしているような声、生で聴いてみたいです。
先にキビタキの記事でも書きましたが、これまで僕はなんとなく春夏のバードウォッチングが苦手でした。探鳥が難しい季節だからです。しかし、キビタキやこのサンショウクイ、また(まだ出会ったことがありませんが、)サンコウチョウなど美しい声を持った野鳥が多く、バードウォッチングの楽しみ方が季節によっても違うんだなと考え直した次第です。五感で楽しむ、それが春夏のバードウォッチングだと気づかせてくれたのがこのサンショウクイでした。みなさんもぜひ春夏は五感で楽しむ「バードフィーリング」はいががでしょうか!