大正モダン!実はスマートな留鳥、イカル

イカル イラスト

イカルは「斑鳩(いかるが)」と響きが近いので、古代の、古い日本のイメージをもっていました。見た目も結構クチバシが黄色くてTHE野鳥というレトロな感じがする鳥です。魚でいうとシーラカンスやサメ、エイといった感じです。もともと憧れていた野鳥だったのですが、実際会ってみるとじつはおしゃれで大正モダンな風貌の持ち主でした。

黒い頭と黄色い大きなクチバシが印象的な野鳥で、太く短い黄色いクチバシはペリカンのようです。エノキやムクノキの実を好んで食べます。実を割って割って食べることから「豆割り」と呼ばれたりします。

名前がイカルだけど、漢字の「鵤」の方がかっこいいと個人的に思っています。カタカナだとインコやイルカのようなポップな感じでとらえてしまいがちですが、図鑑で見るとよく目立ちます。しかしフィールドで見るとそんなに目立たないのが不思議です。

 

イカルの特徴

体長は23センチ

体は灰色で、翼・尾・頭の上部は青みのある黒色です。飛んでいるときの白い斑点が印象的です。

 

アトリ科

イカルはアトリ科の野鳥です。アトリ科の鳥は羽の色がとても美しい鳥です。アトリ科のページをみると色と模様が美しい鳥がたくさん載っていて、その見開きのページが鮮やかで、いつまで見ていてもあきません。

また、野鳥は一般的に食べるものによってクチバシの形状が異なりますが、アトリ科は主に種子を食べるので、硬い種子を砕けるよう、クチバシは短く太い形をしています。工具でいうとニッパーのように、短いパーツにグッと力を加えて割る感じです。

他のアトリ科との違いはというと、シメとよく似ていますし、カワラヒワよりは大きめです。

 

留鳥もしくは漂鳥として

北海道、本州、四国、九州で繁殖、山麓や平地の林の中にいます。冬には市街地の公園や雑木林などで数羽〜数十羽の群れで見られます。

 

さえずり「キーコーキー」

よく通る声で鳴く、地鳴きは「キョッキョッ」と鳴きます。姿に似合わず(失礼!)美声の持ち主です。澄んだよく通る声で鳴きます。聞きなしといって、鳴き声を人の言葉に置き換えて表現することがありますが、アトリは「お菊二十四」、「比志利古木利」(ひしりこきり)、「月日星」(つきひほし)、とさえずることから三光鳥とも呼ばれています。ちなみにサンコウチョウという名前の別の野鳥もいますが、それままた別の機会に。

日産セレナのCMでも何気に登場していました。

 

奈良の斑鳩(いかるが)と関係あり?

昔イカルがたくさんいたことから名付けられましたが、このイカルだったかどうかは謎です。イカルは感じで書くと「鵤」となりますが、これは角のように丈夫なクチバシを持つことに由来します。またさえずりの「キーコーキー」が「イーカールー」と聞こえたなど、名前の由来は諸説あります。イカルはずっと見たいと思っていて、会えたときはとても嬉しかった野鳥です。最初に見たのは練馬区の石神井公園でした。イカルは山奥に行かないと見れないと思っていたので、わざわざ高尾山まで登って探しにいっていたくらいです。まさか都内の公園で見れるとは!と軽く興奮したのを覚えています。

「またどうせヒヨドリでしょ」と決めつけないで、ぜひ双眼鏡を覗いてみてください。意外とあなたの身近な場所にイカルはいるかもしれませんよ。

 

イカル イラスト
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